だ液と口腔疾患の関係について
杉並区荻窪の歯科医院 医療法人社団東京哲翔会 定村歯科医院 院長の定村正之です。
梅雨空と夏空が入り混じる昨今ですが、いかがお過ごしですか?湿度や気温の変化も大きく、体調を崩してしまう方もちらほら見受けられます。夏本番前にしっかり体調を整えておきたいところです。
6月3日に、読売巨人軍で選手・監督として大活躍された長嶋茂雄さんがご逝去されました。国民的なスターとして、日本中知らない人はいない有名な方であったことから球界以外からも広くお悔やみのメッセージが寄せられました。
私は、残念ながら長嶋さんの現役選手時代を知らない世代ですので、長嶋さんのイメージはテレビコマーシャルでのお姿や、巨人軍監督時代で拝見した印象が強いのですが、現役時代のプレーを振り返る映像などを見ると本当に魅力あるプレースタイルで、野球への情熱と共にファンへの気遣いの高い方だったのだなぁととても感じました。
そんな長嶋さんのプロ意識の高さを伝えるエピソードはたくさんあるのですが、その一つにご自身の体重管理に厳しかったというお話が知られています。これは、ご自身のベストの体重をキープすることでいつも見栄え良く、美しく見えるようにというプロ意識から生涯を通じて実践されていた習慣だそうです。確かにいつでもスラっとしたスマートな体形を維持し、お洒落でどんな時でも姿勢が良かったイメージがあります。常に注目されていることを意識し、見てもらう方々を失望させないようにというプロ意識とファンサービス意識の高さが伝わるお話ですね。
また、現役選手時代はどんなに得点差が離れてしまった試合であっても「長嶋茂雄」を見に来てくれているファンのために一切手抜きの無いプレースタイルを貫き、見に来てくれたファンに少しでも喜んでもらおうと考えて試合に臨んでいたと言われています。真剣なプレー、ハイレベルな技術でファンの心をつかむことが当たり前のプロスポーツ選手ですが、更なる高みを意識しすべてに気を使っていたことは非常に刺激になります。
さて、今月は唾液に関わる情報を提供したいと思います。
まずは簡単なクイズです。
- 1日に唾液はどれくらいの量、出ているか知っていますか?
- 唾液が食べ物の味を感じる際に果たしている役割を知っていますか?
さあ、如何でしょうか?
正解は・・・
① 1~1.5L/1日
② 唾液は食べ物に含まれる味物質を溶解させ、味蕾がそれらを感知できるようにします。
という事になります。1日1リットル以上も唾液が出ているというのは驚きですね。唾液の分泌量の低下は口腔乾燥症や、摂食障害にもつながるので、分泌量が低下してしまった方には唾液腺マッサージなどをお勧めしています(シェーグレン症候群などの一部の疾患による唾液分泌量の低下に対しては限界があります)。唾液腺は3対大きな腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)があります。唾液腺周囲を軽くマッサージすることで、唾液量が増え、口腔内が潤いますので、耳の下や顎の下付近を優しくマッサージしてみてください。
しっかり咀嚼し、唾液と食物を口腔内で混ぜ合わせることで、食物の味わいも深まり、より楽しいお食事時間になりますね。現代人は時間に追われていることも多く、早食いになってしまいがちですが、ゆっくりリラックスして食事を楽しむことは心身の健康にはとても重要なことのようです。
また上記以外にも唾液には、消化作用、抗菌作用、口腔湿潤作用、口腔内のPHバランスを整える作用、歯の再石灰化の作用など様々な作用があります。唾液量の不足は虫歯のリスク上昇や、感染症罹患リスクの上昇にも繋がります。口腔乾燥が気になる方は、どうぞご相談くださいね!
では今月もどうぞよろしくお願いいたします!
医療法人社団東京哲翔会 定村歯科医院
理事長 定村正之