杉並区荻窪の歯科医院 医療法人社団東京哲翔会 定村歯科医院 院長の定村正之です。

 

「災害的な暑さ」という表現まで使われた今年の夏ですが、9月に入っても暑さは落ち着かず残暑厳しい日々となっておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

そして暑さと同時に夏風邪も流行していたようで、医院スタッフも数名調子を落としてしまいました。外気の暑さと室内の空調による温度差も風邪を引き起こす一つの誘因になると思います。現状の暑さを考えると冷房抜きでの生活は考えられない状況ですが、温度設定や食生活には気を付けないといけませんね。

 

また、8月は夏の風物詩、全国高校野球選手権が甲子園で開催され、今年は沖縄県代表が優勝しました。東京の東西代表校の2校も上位に食い込み優勝を期待されましたが、最後は沖縄尚学高校の2年生投手2名の前に抑え込まれ、惜しい結果となりました。高校球児達の一所懸命な姿は、青春を生きる爽やかな夏の1ページで、若いエネルギーから刺激を受けて私も仕事を頑張ろうという気持ちになりました!

そんな私ですが、8月にジャパンメンサという組織の主催するメンサ試験を受験してきました。そして無事にメンサ試験に合格し、メンサの資格を取得することが出来ました!この年になって、新しい資格の取得を目指すというのはなかなかハードルも高いものでしたが、今回は、一緒に合格を目指す仲間がたくさんいるという恵まれた環境の中での試験対策が出来た事もあり、多くの応援や勇気をもらっての挑戦であったことが合格に結びついたように思います!

メンサとはイギリス発祥の国際的な高IQの認定団体であり、資格取得はなかなかの狭き門です。試験の難しさは勿論のことですが、都心部では試験へのエントリー自体もなかなか難しく、様々な運の良さが重ならないと資格の取得は難しいと言われています。さらに一生の中で3度しか受験のチャンスがない事などもあり、特別感のある資格の一つだと思います。ご興味がある方は、ぜひ資格取得を目指してみてください!!

 

さて、今月の話題に移りますね。

 

今回はTCH(Tooth Contacting Habit)に関する話題です。日本語では「上下歯列接触癖」と呼ばれ、日中、無意識のうちに上下の歯を接触させ続ける癖のことです。

本来、食事や会話以外で上下の歯が接触している時間は1日あたり20分程度が正常とされています。しかし、TCHがある人は、何かに集中している時やストレスを感じている時などに長時間上下の歯を接触させてしまい、これが歯自体や顎の筋肉や関節に様々な悪影響を及ぼすことが知られています。

 

TCHの主な症状と影響

  • 歯や歯茎、粘膜への影響
    • 歯に亀裂が入る、欠ける、詰め物や被せ物が壊れる、取れる
    • 知覚過敏が悪化する
    • 歯周病が悪化する
    • 特定の歯に痛みが生じる
    • 頬粘膜や舌縁に歯の跡(圧痕)がつき、口内炎や誤咬の原因になる
  • 顎関節への影響
    • 顎がだるい、痛みを感じる
    • 口を開けにくい
    • 顎関節から「カクカク」と音が鳴る
    • 顎関節症を引き起こす、または悪化させる
  • 全身への影響
    • 慢性的な頭痛や肩こり
    • 顔の筋肉が発達し、エラが張るように見える
    • 目の疲れ

TCHの治療とセルフケア

TCHの改善には、まず自分がこの癖を持っていることを自覚することが重要です。

  • セルフチェック
    • 鏡の前で唇を軽く閉じ、リラックスした状態で、上下の歯が接触していないか確認してみましょう。
    • 歯が接触している方が楽だと感じる場合は、TCHの可能性があります。
  • セルフケア
    • 「歯を離す」と意識する: 机やパソコン、冷蔵庫など、目につきやすい場所に「歯を離す」「リラックス」と書いた(あるいは、何かマークでも良いです)付箋を貼ることで、無意識で歯を接触させてしまう癖を意識的にコントロールする訓練(付箋を見る度に上下の歯が接触していないかリマインドする)をします。
    • 正しい舌の位置を意識する: 舌の先を上あごの前歯の付け根あたりにある「スポット」と呼ばれる部分に軽くつけて、舌全体を上あごにくっつけるように意識します。
    • ストレスを管理する: TCHはストレスが原因となることが多いため、趣味や運動などでストレスを発散することも大切です。
    • 全身運動を取り入れる:全身の運動(特に肩回りの運動)は口腔周囲の筋肉の過緊張を抑制することに有効と言われています。適度な運動を日常生活に取り入れ。血行の促進やストレス軽減に努めましょう。
  • 歯科医院での治療
    • 歯科医院では、TCHの自覚を促すための指導に加え、症状に応じてマウスピース(ナイトガード)の作成や、筋肉の緊張を和らげるためのボトックス注射による治療が選択されることもあります。

 

歯ぎしりや食いしばりとは異なり、TCHは弱い力で長時間かかることが特徴です。その負荷の累積は、強い食いしばりの数十倍にもなると言われています。症状が改善しない場合は、医院スタッフにお声掛けください。症状に応じて指導や処置を行うようにいたします。

 

現代社会は、時間に追われることも多く、年代を問わず忙しさを訴える患者様が多くいます。忙しさも度を越えるとストレスになり、TCHの原因になる場合があると考えています。どうぞ心穏やかにゆっくりリラックスできる時間を作るなど、ストレス軽減を心がけてください!

 

 

最後に医院からのお知らせですが、院長が海外での研修(ヨーロッパインプラント学会とオランダでのインプラント研修)の為、9月16日~20日まで不在となります。なにかとご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、どうぞご了承ください。

 

では今月もどうぞよろしくお願いいたします!

 

医療法人社団東京哲翔会 定村歯科医院

理事長 定村正之

医療法人社団 東京哲翔会