杉並区荻窪の歯科医院 医療法人社団東京哲翔会 定村歯科医院 院長の定村正之です。

 

ようやく秋らしい空気に変わってきましたね。夏の疲れも出てくるころですが、季節の変わり目は、気温の変化で体調を崩してしまう事もあるので気を付けないといけない時期ですね。

9月は1週間近くお休みをいただきまして、オランダとフランスでインプラントの研修とヨーロッパインプラント学会へ参加してきました。今回は当院でも月に1回勤務してくれている宮澤先生がヨーロッパインプラント学会で、ポスター発表を行うというタイミングでしたので、良い応援になったかと思います。ヨーロッパインプラント学会で発表出来るというのはなかなかハードルの高い事ですので、宮澤先生の日ごろの努力が一つ形になった発表であり、価値も高いものだと感じました。

 

人生初のオランダでは、現地の料理を楽しんだり、運河を船でクルージングしてもらったりと観光も楽しむことが出来、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。ただ、非常に気候が荒れており、嵐のような風が吹いたり、雨が急に降ったりと日本では味わったことの無い気候に驚かされました。

フランスは、ニースに宿泊し、モナコでの学会に移動して参加するというスタイルを取りました。移動は、ちょうど交通機関のストライキの関係もあり、ウーバーを使用しましたが、海外での移動はウーバーがかなり便利に感じました。色々な経験が出来るのが行く一つの意味合いかと思いますが、文化の違いを体感することが出来ました。

フランス、モナコはベストシーズンといってもよい時期で、乾いた気持ちよい空気と真っ青な空と真夏の日差し、でも気温は30度程度という過ごしやすい環境でした。学会参加以外にも色々と観光をしたり、ニースの街を散策したりと非常に充実した時間でした。食事やワインも楽しむことが出来、たくさんの思い出を仲間の先生方と共有することが出来、また海外へ行くチャンスを作りたいと思っているこの頃です。

 

さて、歯の話題です。

8020という言葉はご存じでしょうか?80歳で20本ご自身の歯を残そうという意味合いの言葉で、国民の口腔健康意識の向上を図る一つの指標となっているものです。

最新の調査結果、「令和6年歯科疾患実態調査(厚労省)」によると、8020達成者(80歳で20本以上の歯が残っている人の割合)は61.5%に達しています。これは、前回(令和4年)の調査結果である51.6%から大きく増加しており、8020達成者が着実に増えていることがわかります。

 

8020達成率の推移

8020運動が始まった当初、80歳で20本以上の歯を持つ人の割合はわずか7%程度でした。しかし、国や歯科医師会による普及啓発活動の成果により、この割合は年々大きく向上しています。 以下に、これまでの推移を示しますが、年々達成者が増え、「高齢者は入れ歯」という概念も変わりつつあります。

  • 1993年: 10.9%
  • 2005年: 24.1%
  • 2016年: 51.2%
  • 2022年: 51.6%
  • 2025年: 61.5%

 

8020達成者が増えている背景としては、以下のことが考えられています。

  • 定期的な歯科検診の普及: 歯科医院での定期的な検診は、虫歯や歯周病の早期発見・治療につながります。
  • フッ素を活用した予防ケア: 高齢になると歯のエナメル質が摩耗しやすくなるため、フッ素の活用が効果的であるという啓発も進んでいます。
  • 口腔ケア意識の向上: 国民全体の口腔ケアに対する意識が高まり、自宅でのセルフケアも定着してきています。
  • 国民全体の心身の健康度の向上:健康寿命の向上に伴い、食事の楽しみ、旅行の楽しみなど高齢者の生活がより豊かなものになったことも一つの背景かと考えられます。

 

しかし、その一方で、依然として多くの人が歯周病を抱えているという課題も指摘されています。たくさんの歯を残すことは素晴らしい事ですが、残った歯のコンディションをきちんと維持することも非常に重要なことになります。そのようなことから8020達成者は増えつつも、生涯にわたる継続的な口腔ケアの重要性は変わりません。 当医院でも、シルバー世代の患者様が大勢、歯の定期検診や歯周病治療で来院されております。少しでも皆様の口腔の健康に寄与できるよう、益々研鑽してまいる所存です。

 

 

では今月もどうぞよろしくお願いいたします!

 

医療法人社団東京哲翔会 定村歯科医院

理事長 定村正之

医療法人社団 東京哲翔会